阿呆ならいいってもんじゃないよ。『恋文の技術』

2009/07/02 (木)   本の感想

わけのわからん講習から帰った家人が「幸福実現党って知ってる?」と聞いてきた。
教祖みたいな女性のポスターにそう書いてあったそうだ。
ノンポリですといわんばかりのへんな政党名だと思ったら、もうネタにされてた。

ていうか幸福実現するのが政治です

笑った。
だって「ザめしや」と同じバイバスに「幸福の科学」の支部があるんだもん、うちの近所。

恋文の技術

新刊『宵山万華鏡』が出た日に読み終わるとは遅すぎる気がするのですが、
森見登美彦の『恋文の技術』をよみました。
手紙を書くのが得意な大学院生・守田一郎くんの書簡集です。
一応青春ラブコメみたいです。多分。
送り主が異なる毎に文体が変わっていくので飽きずに楽しく読めました。
変わっても古風で男臭くユーモラスなところは変わらず、
モリミー的純文章を堪能させてもらいました。
いやなニュースで鬱になっても、森見登美彦氏の文章をよむとクスクス笑えて
穏やかな気持ちになれます。不思議だ。

特に「おっぱい万歳」とか「ぷりぷり文句をいう」とか「ぷくぷく粽」とか、プ行フレーズがキュートで笑った。
あと「ねえ、モナミ。」は私の一番のツボ。名探偵ポアロかっつーの。
「無知無知野郎」もいいですねー、勉強がたりない人をいうらしいです。
わたしも「無知無知野郎」にならないように気をつけようっと。

追伸:アニメ「東のエデン」にでてくる平澤一臣が森見登美彦氏に似ていると思うのは私だけ?

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「オニババ化する女たち」をよむ

2009/06/19 (金)   本の感想

痴漢や強姦の被害者をなんで責めるんだろう?
ずっともやもやしていたが、北原みのりさんのコラムを読んで解けた。
京都教育大学の集団強姦事件

セックスが好きで、コンパで会った男の子とセックスしてもいいな、むしろそうなりたいな、という思いでコンパに行く女の子の気持ちそのものが罰せられることなんて、どういう思想だと思う。早稲田の男の子と知り合いたいな、恋愛できたらきっと楽しいだろうな、そういう思いでコンパに行く女の子を責めるって、どういう正義だと不思議に思う。

19歳の女性がセックスしたいと思うことが責められてたんだ。
女が性欲をもつことを制限されているんだ。
「キャミソールを着るから痴漢にあう」とか言う人がいるのは、そういう理屈か。

三砂ちずる『オニババ化する女たち 女性の身体性を取り戻す』を読んだ。
これも割り切れない気持ちが残った。
独身の更年期女性がオニババ化すると言う話はナマハゲ的子供だましで笑えるし、
仕事ばっかりせず体を大切にしていこうとか、月経はトイレで流すとか(やってみたい)、
出産は痛く苦しいものではなく気持ちよいもので体と向き合える貴重な体験だとか、
なかなか面白いのだが、なにかもやもやする。

生殖を中心に人生を考えるp197

 女は子どもを産む道具か、などと言われていましたが、もちろん女は子どもを産むための道具ではありません。女は子どもを産むための、人間です。だから人間として子供を産むと言うことをもっと大切にし、そんな大切なことを産業社会の養成で、反故にさせないことが大切だと思います。p198

道具を人間と言い換えても、意味が変わっていない。
子どもを産むために女はあると言っているのだ。
子宮があるから産むべき、といわれると心を無視された気がする。
一人一人の内面がないみたいに扱われた気分。
セックスするか生殖するか、そこから自分で選びたい。

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コモドオオトカゲは毒をもつ

2009/05/26 (火)   きになるニュース

今日はすごいニュースを二つも知った。

ブログ・服従するが果たさない経由。
つらい時は君を想い出すよ。君がつらい時は、ぼくを想い出しておくれ。
忌野清志郎さんが闘病時に小児がん幼児にエールを送ったとか。

もうひとつはブログ・かめ?経由。
コモドオオトカゲのなぞ解明 獲物に毒を注入
コモドオオトカゲは別名コモドドラゴンと呼ばれている、
人の道 御三神」後篇にでてきた可愛いコモドドラゴン三姉妹のことですよ。

コモドオオトカゲは獲物を攻撃する際、かみついた相手の傷に毒を注入していることが、オーストラリア・メルボルン大のチームの研究で明らかになった。

がぶっと獲物に噛みつき、弱って大人しくなった頃合いに毒を注入するらしい。

チームによると、この毒には血の凝固を妨げる作用がある。獲物は多量の出血を起こし、血圧が降下して死ぬという。

大量出血で失血死!これは人間もイチコロだなと思ったら、実際に襲われて亡くなった方もいるとか。
恐竜と間違われただけあって強い。最強のトカゲだ。

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清水良典『文学の未来』(2)

2009/05/23 (土)   本の感想

文学の未来

清水良典『文学の未来』は「純文章宣言」から始まる。
それは小説・エッセイなどジャンルに関係なく、面白い文章かどうかで良い作品か決めようという主張(だと思う)。
たしかに最近ジャンル分けできない小説が多い。
私自身も文章が退屈だと飽きるタイプなので、読んでいて納得。

第一章では、作文に着目したコラムをまとめている。
作文から近代小説成立期から言文一致の歴史と功罪や日本国憲法の抑圧性を批判する展開は面白い。
そして世代間の文章に対するスタンスの指摘も。

第二章は近代小説の作家毎の批評。
谷崎潤一郎・内田百間・林芙美子・幸田文・井伏鱒二・吉行淳之介・島田敏雄。
最後の島田敏雄『死の棘』の解説は目から鱗。
作者の妻は創作のパートナーだったという視点から、『死の棘』島尾ミホは狂気の人ではなく神の相似形<聖ミホ>として書いているという。
これは…斬新じゃない?いますぐ読み返したくなった(けど本がみつからない…)。

第三章は現代小説の作家批評。
高橋源一郎・筒井康隆・川上弘美・赤坂真理・小川洋子・柳美里・笙野頼子の七人。
個人的読後感から段々と深い洞察に入っていくスタイルで読んでいなくても楽しめる。
柳美里はモデルの人権侵害として一部削除されて出版された『石を泳ぐ魚』を取りあげている。オリジナルと改訂版と比較し、オリジナルの重要なメタファーが禁じられ作品性が反対になっていることを指摘する。
その次が笙野頼子とくると、清水良典のスタンスが伝わってくるような気がするのだ。

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清水良典『文学の未来』(1)

2009/05/21 (木)   書評・紹介情報

清水良典『文学の未来』を読みました。
ラストに「闘う文/夢みる文―笙野頼子」が収録されているからです。
例の「論座」2008年5月号笙野小特集の寄稿文が大幅加筆で16ページにボリュームアップ。
2008年時点で笙野頼子を総まとめした批評文になっております。
わかりやすい解説でにわかファン(私)には大変ありがたい。

そこには、現在に至るまでの笙野頼子の戦いの原理が刻まれている。「私」を束縛し、「ない」を規定しようとする外部の力と徹底的に争うこと、そして同時に外部の原理のさらに「外」に立ちうる「私」を想像しようと試みること、――その外と内に向いたベクトルが同時に働くような闘争として、彼女の文章は運動しつづけているのだ。p302

そうそう、笙野作品は束縛の外にたつ「私」を創っている。
笙野頼子の魅力の中で、その創造力が一番好きだ。元気になれる。

 時代が最も軽んずるもの、無価値と断ずるもの、「ない」ことにされたものたちの封印された声に、笙野は「習合」する。その対象や敵が今後どのように移り変わろうとも、笙野頼子の闘いは永続する。p311

野良猫も天狗もカッパも原始八幡もナイことにされたもの達としてモチーフになっている、てことですね。
国家とか権力と闘っているとばかり考えていたが、「無価値と断ずる」もっと大きな枠の力を射程に入れているのかもしれない。奥が深いなー。

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「人の道 御三神」後篇の感想

2009/04/24 (金)   笙野データ・感想

笙野頼子の最新小説「人の道 御三神――人の道御三神といろはにブロガーズ後篇
おもしろかったっすね〜。遅まきながら感想です。
ちなみに前編のあらすじはこちら

「御三神は、ネタブログを許さない」

御三神 後篇は、いろはにブロガーズの話から始まります。
いろはにブロガーズ。それは御三神の公式サイトのリンク集です。
「三姉妹」のブログをいろは順にリンクしています。
リンク先は「お隣ブログ」になるので、実際にブログ主の「お隣」まで行き
隣人として生活を共にされます。(ストーカー?)
そのときブログに偽りがあると分かれば――罰します
ブログ上に事実をバラされ、写真を晒されるのです。
嘘はなくても、いいかげんな三姉妹ブログは書き換えられるハメに。
しかし、よきブログは祝福をうけます。
御三神のようにほぞぼそと生き延びてきたGS演歌やコモドドラゴン・いたこ達、
血のつながりはなくとも健気にいきる三姉妹にも福がさずけられます。
それが本人達にとっても福かどうかはわかりませんが、結果的に全てのブログがストップ。
顕彰されたところも無視されたブログもすべて更新停止しています。

ブログに嘘を書いたら罰される

まじこえ――。
私のところに来てほしくないな。
そういえばウチの両隣は空室だったな…、御三神のお隣ブログにされたら速攻住める。こわっ。
でも三姉妹のブログじゃないから対象外だ。
それ以前に小説の中の話、フィクションなんだから現実にはありえない。
なのに毎日新聞の笙野頼子インタビュー記事を勝手に掲載したら罰されるだろうな、とか思っている。

なんか子どもの時に「雷様にへそを取られるぞ」と脅された時と同じ。
「嘘つくと閻魔大王に舌を抜かれる」「死んだ後地獄に堕ちる」みたいな事もいわれた。
本当に地獄があるわけないじゃんとバカにしつつも、
いざ雷がなると「へそを取られる」と急に怖くなったり、
地獄に堕ちたらどうしようと一瞬想像してしまう。
現実にはありえないと分かっていても、ふと頭をよぎるのだ。
そんな風に「嘘を書いたら御三神に罰される」と刷り込まれてしまった。
ようするに私は御三神の凶神ぶりにすっかり怯えていて、
ネットの善悪を御三神を基準にして考えるようになっているのだ。

ネットは自由に書けてなんでも簡単にコピーできる。
いいことも悪いこともネットでは気軽にできる。だから善悪の判断がゆるくなりがち。
法律で禁止されているからといって、社会的悪とは限らないし。
善悪は自分で判断する必要がある。
ひとりパソコンの前で、自分の欲望と利害と法律と善悪を考えてぐるぐるするより、
人の道御三神ならどう思われるだろうと神と共に考えるほうが楽だし、それでいいか。
そんな風に考えている時点で御三神にハマって(感染?)いるのかもしれません。

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「人の道 御三神」後篇

2009/04/07 (火)   新作・最新情報

文藝 2009年 05月号 [雑誌]

笙野頼子の最新作!
「人の道 御三神――人の道御三神といろはにブロガーズ後篇」
「文藝」2009年夏季号に掲載されています。
目次は河出書房新社の公式サイトにあります。
http://www.kawade.co.jp/np/bungei.html
ネットで取り扱っているのはアマゾンビーケーワンだけ。
なので駅の大型書店に行って買ってきました。これから読むぞ。

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